旅すると人生が変わる。プログラマとの出会い@バンコク
僕が初めて海外を訪れたのは20代ももう終盤の頃だった。
行き先は、東南アジアのタイ。
成田空港からバンコクに到着し、ドンムアン空港からバスに乗り、バックパッカーの聖地カオサン・ロードへ。
カオサン・ロードに降り立ったとき、なんとも言い難い高揚感とこれまで味わったことのない類の興奮を覚えたことを記憶している。
夕刻、人が集まった賑やかな雰囲気の通りでは、露天や屋台に吊るされたライトや提灯(のようなもの)の光が若干薄暗くなった時間帯、ムワッとした蒸し暑い空気の中で幻想的に輝き、異国の地に辿り着いたことを五感の全てで感じていた。
次の日の早朝、国内線の飛行機を使ってリゾート地で有名なサムイ島へ行き、サムイ島からは夕刻、スピードボートでタイランド湾の小さな島、パンガン島へ移動。
サムイ島チャウエンビーチのマーケット通り
パンガン島では名物ともいえるレイブパーティー、Full Moon Party(フルムーン・パーティー)に参加
翌日、サムイ島からバンコクに戻り、夜の飛行機でそのまま帰国。
初の海外旅行にしてはボリューム満点、弾丸のような旅だったと振り返る。
そして、その後一年も経たないうちに再びタイ・バンコクを訪れた。
前回は滞在時間の短かったバンコクの街をじっくり堪能したいと思ったのと、あのカオサン・ロードで味わった高揚感が日常のふとした時にフラッシュバックし、また訪れたい衝動に駆られたからだ。
いや、そのときは呼び戻されたという表現がしっくりきていた。
2回目の訪タイ、このときはバンコクをもっと知るため、日中主要な観光地を巡り、街をひたすら歩き、食をとことん堪能した。
そのときのバンコク観光の楽しさは語り尽くせないが、今の僕に繋がる場面として記憶に残っているのは、たまたま入ったカフェのカウンター席に一人で座っていた男性。
白人の男性だったと記憶しているが、そのカウンター席でPCを広げ、画面にはプログラミング中のソースコードらしきものが見えたのでソフトウェア等の開発をしているプログラマなのだとすぐに認識した。
外国から来て、インターネットとPCだけを使って仕事をしている。
場所に縛られることなく自身のスキルで働いているその方を見て、会社勤めで平日はオフィスで仕事、土日は休みという大多数の常識や慣習に必ずしも当てはめない働き方、ライフスタイルもあるんだなと思った。
そこから現在まで6年が経過し、今は僕もフリーランスのプログラマとして働いている。
あのときカフェで見かけた彼に潜在意識の中でも尊敬と憧れを持ち続けていたから、それがきっと発露のひとつとなって今の僕があるのかなって思う。
実際のところ、僕はまだあのとき見かけた彼のように、いつでも好きな場所で働くというところまでは実現できていないのだけれど、当時より、いくらかは彼のような姿に近づいていて、自身の可能性が広がっていることを実感している。
6年ぶり、3度目に訪れたタイ・バンコクのカフェで大好きなプログラミング作業をしながらかつての旅を思い出していた。
2023.11.08 @Artis Coffee Bangkok
https://maps.app.goo.gl/CcaibNNwFQKq1nmCA