【応用情報技術者試験】システム信頼性設計

信頼性設計とは

信頼性設計とはシステムを安定的に稼働させるために信頼性向上の技術を用いること。

信頼性向上の技術は以下のように区分けされる。

フォールトアボイダンス
システムや機器の各構成要素の品質を高めたり、十分なテストを行ったりして、故障や障害の原因となる要素を排除し、できる限り故障や障害が発生しないようにすること。
フォールトトレランス
システムや機器の構成要素の一部が故障、停止などしても予備の系統に切り替える(多重化)などで全体としての機能を保ち、正常に稼働させ続けること
フェールセーフ
システム、機器やその構成部品などの故障や破損、操作ミス、誤作動などが発生した際に、できるだけ安全な状態に移行するようにしておくこと。
フェールソフト
システム、機器などにおいて、事故や故障が発生した場合に、問題が起きた箇所を切り離して被害が大きくなることを防止し、問題が起きていない部分だけで全体を止めることなく動作を継続(縮退運転)する考え方。
フールプルーフ
利用者が操作を誤っても危険が生じないように設計すること。または、はじめから操作ミスや危険な使い方ができないように設計すること。

上記、フォールトトレランスに関連するもので以下の用語が存在する。

フェールオーバー (fail over)
多重化されたシステムのいずれかに障害発生したとき、自動的に予備のシステムに切り替える。

フェールバック (fail back)
フェールオーバーで切り替えられた予備のシステムから、障害発生したシステムへ状態を引き継いで元の状態に戻すこと。

応用情報技術者過去問題 令和元年秋期 午後問8

問題文 ※一部抜粋
〔信号機の信頼性設計〕
信号機の制御システムの故障は,人命に関わる事故を引き起こすおそれがあり,M君には十分な信頼性設計を行うように指示が出た。それを受けてM君は,信号機の信頼性設計を完成させた。その設計の中に,次の二つの仕様を含めた。

(1): 主道路信号と従道路信号の連動機構が故障した場合,主道路信号を”黄点滅”(注意して進む)に,従道路信号を”赤点滅”(一時停止し,確認後発進)にして,どちらも”青”にはしない。

(2): 歩行者用押しボタンが故障した場合,その機能を切り離した縮退運転とし,夜間でも昼間と同様に歩行者信号を主道路信号に同期させる。

設問3
〔信号機の信頼性設計〕について,本文中の(1)と(2)の信頼性設計の対応策を表す最も適切な字句を,それぞれ解答群の中から選び,記号で答えよ。

ア: フールプルーフ
イ: フェールセーフ
ウ: フェールソフト
エ: フォールトアボイダンス
オ: フォールトトレランス

引用元:IPA 独立行政法人
情報処理推進機構:問題冊子・配点割合・解答例・採点講評(2019、平成31年、令和元年)

解答
(1) イ: フェールセーフ
解説: システムが故障した時にできるだけ安全状な態にする

(2) ウ: フェールソフト
解説: 縮退運転がキーワード。縮退運転のことをフォールバック(fall back)ともいう

Follow me!