MIPSとトランザクションの処理能力

トランザクションの処理能力(件/秒)

システムにおいて命令トランザクションの処理能力を求める方法を基本情報技術者試験の過去問題を使って解説します。

問題の条件にある、MIPSについての概要は下記の記事にまとめています。

MIPS(CPUの性能指標)について

基本情報技術者試験 平成25年度秋期午前問題

1件のトランザクションについて80万ステップの命令実行を必要とするシステムがある。プロセッサの性能が200MIPSで,プロセッサの使用率が80%のときのトランザクションの処理能力(件/秒)は幾らか。

ア: 20
イ: 200
ウ: 250
エ: 313

引用元:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:過去問題

解説

問題の答えとして求める「トランザクションの処理能力(件/秒)」とは
1秒間あたりに何件のトランザクションを処理できるかということ。

トランザクションとは
関連する複数の命令処理をひとまとめにした単位のこと

問題文より、情報をまとめると

  • このシステムでは、トランザクション1件あたり80万ステップの命令実行を必要とする
  • プロセッサの処理能力は200MIPS
    → 1秒間に200百万ステップの命令を実行できる性能を表している
  • プロセッサの使用率は80%
    ※計算をわかりやすくするために、いったんこちらの条件は無視して後ほど加えます。

200百万ステップ(秒)の中にトランザクション1件あたりのステップ数がいくつ収まるかを計算することで1秒あたりのトランザクション件数を求めることが出来ます。

(計算式) 200百万 ÷ 80万 = 250

この場合トランザクションの処理能力は250件/秒となる

プロセッサの使用率を考慮する

先ほど無視していたプロセッサの使用率を上記の計算に加える。
プロセッサの使用率が80%なのでMIPS値を元の80%にして計算すれば良い。

(プロセッサの使用率80%)
200MIPS × 0.8 = 160MIPS

よって、トランザクションの処理能力は
160百万 ÷ 80万 = 200件/秒

問題の答えは イ:200 となる

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